番組紹介
さしも全盛を極めたレビューも、戦争のおかげで次第にさびれていった昭和十五年頃――浅草のレビュー小屋のしがないコーラスガールだった時子は、一座の貧しい作曲家である笠井から、
愛人の葛原三郎が今夜結婚するという意外なニュースをきいて愕然とした。
東和商事に勤めていた三郎は、立花専務より将来を見込まれ、令嬢の真砂子との結婚を申し込まれたが、
気の弱い彼は喜ぶ両親を眼の前にみて、断りきれずについに承諾してしまったのである。
時子は結婚式場にかけつけた。
群衆に混って新婚の旅に出ようとする新郎、新婦の晴れ姿を見ているうちに、失神してその場に倒れてしまった。
時子は既に妊娠していたのだ。やがて良太郎が生まれた―
信ずる男に捨てられて、命と頼む愛児を胸に、雪の荒野に行き暮れた生みの母―
草深い農家に住む朴訥な妻にしてこの深き愛、薄命の子を我が子以上に愛し抜く育ての母―
神ならぬ身の、知る由もなく、罪深き男と知らずに結婚して、夫の隠し子を我が愛の手に育てんとする義理の母―
けわしき世にも母情は切々として永劫不滅の愛の光をつらぬく。
(1949年、日本、84分)
出演者・スタッフ
【スタッフ】 企画:中代富士男 原作:川村花菱 脚本:館岡謙之助 監督:小石栄一 撮影:姫田眞佐久 照明:佐藤寛 音楽:斎藤一郎 スチル:鈴木真 美術:柴田篤二 制作主任:照井秀一 |
【キャスト】 杉本時子:水戸光子 立花真砂子:入江たか子 お光:三益愛子 笠井潔:根上淳 山崎利吉:志村喬 葛原三郎:夏川大二郎 立花千恵子:中野暁子 中田光枝:宮原恭子 ほか |
お知らせ
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