名もない一庶民から天下人へ上り詰めた、
秀吉62年の波瀾万丈の生涯を6部にわたって描く一代叙事詩
貧しい農家の子から武士となり、やがて一国一城の主、ついには 「天下人」にまで上り詰めた豊臣秀吉。
日吉 (後の秀吉) は、尾張・中村の貧農の家に生まれる。鉄砲足軽として度々戦にも出ていた父の口癖は「天下一」。その教えは 「人の考えていないことをやれ」。 幼い日吉の心の中に、父の言葉がしみ込んでいった...。その父亡き後、養父とのソリが合わない日吉は放浪の旅へと出る。やがて野武士になった日吉は、それに満足できずに信長の軍に仕官する。そして、信長の妹・お市の方と運命的に出会う。お市の方は、秀吉にとっての終生の想い人となるのだった。草履取りから草履取り頭、そして足軽から足軽頭へと取り立てられていく中で、犬千代 (後の前田利家)や、人生最大のライバルとなる家康とも出会う日吉。やがて、ねねと結婚した日吉は「木下藤吉郎」と名乗るようになる。一方、上洛を目指す信長が、美濃・稲葉山城を陥落出来ずにいた。 藤吉郎は天才軍師・竹中 半兵衛を迎え入れ、 奇襲攻撃で稲葉山城を陥落させる。藤吉郎最初の大武功だった。その稲葉山城を「岐阜城」と改名した信長のもとに、将軍の弟・足利義昭に従って、明智光秀がやってくる...。