2025年3月31日(月)
太田昌克の視点
『太田昌克の視点』
「同盟の絆」破壊する大失態 盟主への信頼 さらに失墜
2025年3月28日(金)放送分より
3月15日に行われたイエメンの親イラン武装組織フーシ派への米軍の空爆計画が、一般の通信アプリ「シグナル」を通じて、トランプ政権幹部の間で共有され、在野のジャーナリストにまで漏洩していた。
これは単なる「情報漏洩事件」といった言葉で片付けられる不祥事ではない。異次元の大失態だ。なぜなら軍事機密や安全保障に関する情報は同盟にとってまさに命綱だからだ。この異次元の大失態によって西側同盟の盟主であり続けた米国への信頼はいっそう失墜した。
米国務省の情報機関で機密情報を扱っていたフランク・ジャヌージ氏にこの問題について取材したところ、「スパイ活動法をはじめ法律面と、情報を扱う手続き面の双方における重大な違反行為であることは疑いない」と断言した。
「シグナル」は暗号化されており比較的安全性が高いとされるが、ジャヌージ氏は「ロシアの情報機関にとって暗号解読などお手のものだ」と語った。しかも問題のチャットグループに加入しシグナルを使っていたトランプ政権のウィットコフ中東担当特使がモスクワにいた点を問題視し、ロシア側に情報が漏れていた可能性も排除できないと指摘した。軍事情報保全への意識が低すぎるトランプ政権、その行動は言語道断だ。
一方的に関税戦争を仕掛け、ウクライナ和平工作ではロシア寄りの姿勢を見せるトランプ政権。今回のいわゆる「シグナルゲート事件」は「同盟の絆」をさらに破壊する世紀の大事件で、将来のNATO間、さらに日米の情報交換にも大きな不安を残すことになった。
※このコーナーでは、BS11の報道番組で放送した内容を元に記事にして掲載しています。
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番組キャスターで共同通信編集委員、ジャーナリストの太田昌克が取材したネタを中心に、独自視線で語るコーナー。毎月第2・第4金曜日放送中。