第2話  波紋

伝右衛門が連れてきた素性の知らないみなし子は、三枝家に少ないからぬ波紋を巻き起こした。伝右衛門はその子の雰囲気が三年前に病死した次男の猛に似ていると喜んだ。子どもたちとわけへだてなく扱おうとする。一方、絹はそんな伝右衛門の態度が理解できない。もしかしてその子は伝右衛門の隠し子ではないかと疑問を抱く。文彦もその子を毛嫌いした。父親がその子の肩を持つのもおもしろくない。が、幼いヒカルは、こだわりなくその子と接した。父親がいつも話している亡き兄みたいだと思い、その子を「猛」と呼ぶ。伝右衛門もそれにならった。