3月17日~3月21日
3月17日(月)
「米アカデミー受賞映画が伝えるパレスチナの昨日・今日・明日」
ゲスト:柳澤 秀夫(ジャーナリスト / 元NHKカイロ支局長・解説委員長)、宮田 律(現代イスラム研究センター理事長)
1月に成立したイスラエルとイスラム組織ハマスとの「ガザ3段階停戦」。パレスチナとイスラエル双方が人質33人と拘束中のパレスチナ人を解放するという第1段階は、今月1日に期限を迎えた。しかし、第2段階に向けた協議は難航中で、イスラエルは、ガザ地区への食料や燃料、電力などの供給を停止し、住民の生活は深刻な影響を受けている。交渉はカタールを舞台に、アメリカ特使も交えて本格化する見込みだが...。そんな中、パレスチナの現状を描いた映画「ノー・アザー・ランド 故郷は他にない」が、米アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した。パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で続く、イスラエル軍による組織的な破壊行為を、故郷の町を守るために発信するパレスチナ人青年と、彼に協力するイスラエル人青年の活動を追った作品。イスラエルによる国際法無視の「民族浄化」政策とも思える非道ぶりを描き出している。
ゲストは、ジャーナリストで元NHKカイロ支局長で中東情勢に精通する柳澤秀夫さんと、イスラム地域の政治や文化、アメリカの中東政策に詳しい宮田律さん。進行中の停戦交渉の行方やアカデミー受賞映画を通して、パレスチナの現状と将来について伝える。
3月18日(火)
「プーチン氏独特の交渉術 米停戦案にどう対抗か?」
ゲスト:名越 健郎(拓殖大学客員教授)、佐々木 正明(大和大学教授)
米国とウクライナが同意した30日間の停戦案に、ロシアのプーチン大統領は「根本原因を取り除く必要がある」として同意できない考えを表明。「ボールはロシア側にある」といわれる中で、プーチン氏が描く交渉戦術を読み解く。ゲストの佐々木正明氏がウクライナを緊急取材。首都キーウでは連日の空襲警報や兵士の葬儀が日常風景に...。こうした中、戦争に疲弊する市民の希望の光となっているのが「相撲」。遠い日本で活躍するウクライナ出身力士2人に熱い声援を送る。彼らに憧れ熱心に練習するジュニア力士を取材。
ゲストは、元時事通信社モスクワ支局長で拓殖大学客員教授の名越健郎氏と、元産経新聞モスクワ支局長で大和大学教授の佐々木正明氏。継戦か停戦か・・米露の今後の動きは?
3月19日(水)
「トランプ氏の中露戦略 グリーンランドにこだわるワケは」
ゲスト:小原 凡司(笹川平和財団上席フェロー)、小谷 哲男(明海大学教授)
トランプ米大統領は先週、NATO(北大西洋条約機構)事務総長との会談で、デンマーク自治領グリーンランドについて「国際安全保障強化のため、米国が支配する必要がある」と、取得に並々ならぬ意欲を示した。1期目政権でもグリーンランドに言及しているトランプ氏。その背景には中国・ロシアの存在があるという。「天然資源の宝庫」と呼ばれるグリーンランド。中国は多額の投資を行い、レアアースなどの鉱物資源の獲得を視野に入れている。またグリーンランドの大半が位置する北極圏の交易ルートで影響力を高める中国とロシア。こうした中露の動きを牽制するため、グリーンランドに強いこだわりを持つトランプ氏だが、取得の実現性は?
ゲストは、中国の外交・安保政策などが専門の笹川平和財団上席フェロー・小原凡司氏と、米国の政治・外交などが専門の明海大学教授・小谷哲男氏。グリーンランドの鉱物資源や北極圏をめぐる米中露の覇権争いについて議論する。
3月20日(木)
「人生100年時代 『未病』の日に考える対策の重要性」
ゲスト:小林 修三(湘南鎌倉総合病院 院長)、柿沼 美智留(三菱総合研究所 政策・経済センター主任研究員)
未病の段階で対策を講じることができれば、病気の発症リスクを下げることができるという。聴くこと、歌うことが心身に良い効果を及ぼす「音楽療法」で生活習慣が改善するという。どんな曲に効果があるのか。未病から健康状態に戻るための努力は、1人での継続は難しい。しかし、同じ目標を持った仲間で協調しながら頑張る「みんチャレ」で運動や食事などの日常生活が変わり始めるという。このチャレンジが各地で広がっている。
ゲストは未病対策の先駆者の1人、湘南鎌倉総合病院 院長の小林修三氏と、予防・健康づくりの社会実装支援を行う三菱総合研究所政策・経済センター主任研究員の柿沼美智留氏。超高齢社会に求められる未病の考え方について徹底議論する。
3月21日(金)
「テスラ&BYD実際に乗ってみた! EVワールドの現在」
ゲスト:鈴木 貴博(百年コンサルティング チーフエコノミスト)
世界的にEV(電気自動車)へのシフトが進むと思われていたが、特に日本では普及が進んでいない。そんな中存在感を増しているのが、EVを主力とするアメリカのテスラや中国のBYDといった新興メーカーだ。EVの先駆けともいえるテスラは、圧倒的な加速や緻密な自動運転の制御など先進的な性能が自慢。一方BYDは、日本ではまだまだ後発のイメージがあるが、その品質の高さは日本をはじめ世界のメーカーにとって脅威となっている。しかしながら、充電にかかる手間や航続距離の短さなどEVの普及を阻むとされるデメリットも指摘されている。番組では、そのあたり、実際の使用時にはどれだけの障害になるのかも検証する。
また、EVシフトに出遅れていると言われる日本メーカーだが、巻き返すことはできるのか。テスラとBYD、2台のEVユーザーで、経済評論家としても活躍する鈴木貴博さんとともに、EV市場の現在を俯瞰し、未来の自動車・モビリティの形について考える。