3月10日~3月14日

3月10日(月)
「世界震撼の7週間 トランプの『暴走』とマスクの『横暴』」

ゲスト:春名 幹男(国際ジャーナリスト / 元共同通信ワシントン支局長)、前嶋 和弘(上智大学総合グローバル学部教授)

トランプ大統領は施政方針演説でウクライナのゼレンスキー大統領からの書簡を紹介し、ウクライナ停戦交渉に引き続き取り組む姿勢を示した。トランプ政権はゼレンスキー氏との首脳会談の決裂を受けて、ウクライナ支援の一旦停止を発表したが、今後は?また、トランプ氏は、中国、カナダ・メキシコに関税強化措置を発動。さらに、自動車を念頭にEUに対しても25%関税を宣言。トランプ政権と欧州との溝はさらに深まるのか...。また、トランプ氏は演説で、トランプ政権の閣僚で実業家のイーロン・マスク氏を称賛した。しかし、マスク氏が率いるDOGE(政府効率化省)の強引な手法には、政権内からも賛否両論が噴出。多くの訴訟が起きている。さらに、マスク氏はUSAID(米国際開発庁)の誤情報を拡散した上で事実上の閉鎖に追い込み、これにより、主にグローバルサウス諸国の社会的諸問題が危機的状況に追い込まれる事態となっている。
ゲストは、長年にわたり米国政治・外交を追い続けてきた元共同通信ワシントン支局長・春名幹男氏と、現代アメリカ政治が専門の上智大学・前嶋和弘教授。"暴走"とも思えるトランプ政治の行方とマスク氏の"横暴"とも映る言動の背景、果たして「イーロン・マスク」とは何者なのか?その狙いと正体について徹底分析する。


3月11日(火)
「対トランプ氏で欧州混乱 プーチン氏が狙う米欧分断」

ゲスト:吉田 朋之(日本国際問題研究所所長)、鶴岡 路人(慶應義塾大学准教授)

トランプ大統領とゼレンスキー大統領の首脳会談が決裂した米国とウクライナは、両国高官が11日サウジアラビアで協議する。悪化した関係を修復することはできるか?一方、ロシアへの経済制裁の強化を検討するとしながらもプーチン大統領に歩み寄るトランプ氏の停戦への思惑は? 欧州連合(EU)は4日、EU加盟国の防衛力を強化する「再軍備計画」を発表し、ウクライナ支持を約束した。しかし、ロシアとの距離感や危機意識では欧州内に隔たりも...。フランスのマクロン大統領が「仏の核の傘で欧州防衛」を提唱する中、欧州の選択は?米欧分断を狙うプーチン氏にどう対処するのか?
欧州連合(EU)は4日、EU加盟国の防衛力を強化する「再軍備計画」を発表し、ウクライナ支持を約束した。しかし、ロシアとの距離感や危機意識では欧州内に隔たりも...。フランスのマクロン大統領が「仏の核の傘で欧州防衛」を提唱する中、欧州の選択は?米欧分断を狙うプーチン氏にどう対処するのか?


3月12日(水)
「関税・台湾問題で徹底抗戦! 習政権の対トランプ戦略は」

ゲスト:宮本 雄二(元駐中国大使 / 宮本アジア研究所代表)、福田 円(法政大学法学部教授)

中国で全国人民代表大会(全人代)が今月5日から11日まで開催。中国に追加関税を発動し、対中強硬姿勢を鮮明にするトランプ米政権に対し、習政権は「圧力をかけ続けるなら断固として対抗措置をとる」と表明。10日から、米国産の農産品などに最大15%の報復関税を課し、対決姿勢を示した。米中の関税合戦は序章に過ぎないのか? 習政権は全人代で、台湾について「祖国統一の大事業を揺るぎなく推進する」と、統一への意欲を改めて示し、米国を念頭に「外部勢力の干渉に断固反対する」と表明。台湾海峡は今後も緊迫化が懸念される。トランプ大統領はウクライナ情勢でロシアに有利な形での停戦を進めかねない状況だが、米国の動きは中国の台湾政策にどのような影響を及ぼすのか?
ゲストは、2006年から10年まで駐中国大使を務めた宮本アジア研究所代表・宮本雄二氏と、中国・台湾の地域研究が専門の法政大学法学部教授・福田円氏。習政権の対トランプ戦略について考え、米中の関税合戦や台湾問題の今後を議論する。


3月13日(木)
「年金改革の行方は? 負担と給付のバランスを問う」

ゲスト:長妻 昭(立憲民主党代表代行)、中嶋 邦夫(ニッセイ基礎研究所上席研究員)

少子高齢化が進むなか、持続可能な年金制度のあり方がいま問われています。5年に1度の年金改革。議論の論点は 「基礎年金の底上げ」「パート労働者への厚生年金適用拡大」 「在職老齢年金制度の見直し」など多岐にわたります。現役世代の負担と老後の給付のバランスをどう取るのか? 例えば、「基礎年金の底上げ」 では、厚生年金の積立金を活用し、将来の年金額を維持する狙いがあります。しかし、その結果 「損をする世代」が生じる可能性がある との指摘も。また、「106万円の壁」 の実質撤廃により、パート労働者も厚生年金に加入しやすくなる一方、手取り減少の懸念もあります。一方、「在職老齢年金制度」の見直しは働きながら年金を受給する高齢者にメリットがあるという。
ゲストは「ミスター年金」として知られる、元厚生労働大臣で立憲民主党・代表代行の長妻昭氏と、年金制度に詳しいニッセイ基礎研究所・上席研究員の中嶋邦夫氏。保険料の負担、そして将来の支給額はどう変わるのか?そもそも、年金改革関連法案は今国会に提出されるのか...。「持続可能な年金制度」とは何か考える。


3月14日(金)
「原発事故14年の福島 元官房副長官の証言」

ゲスト:福山 哲郎(元官房副長官 / 立憲民主党参議院議員)

東日本大震災から14年。この間、福島県内の原発周辺地域の避難指示は徐々に解除され、人々の生活に欠かせないインフラ整備も進んでいる。だが、町のにぎわいが被災前に戻ることはなく、改めて、原発事故の過酷さや復興の難しさを感じさせられる。いま、被災者たちはどんな思いを抱いているのか?番組キャスター、太田昌克が福島・南相馬の診療所や、震災後に双葉町に移り住んだ元副復興相を取材。
スタジオには、当時、事故対応に当たった元官房副長官・福山哲郎立憲民主党参議院議員を招き、今夜改め て、被災地復興や原子力政策について考える。