第147回 青森・弘前市で和洋折衷の風情と銘酒を堪能
今回の舞台は、青森県西部にある市、弘前市。弘前藩の城下町として発展し、現在も津軽地方の中心都市です。レトロな洋館が多く残る情緒ある街並みは、思わず写真に収めたくなります。和と洋の魅力を合わせ持つ弘前で、地元に愛され、全国から銘酒を求めて訪れる老舗の名店をご紹介します。
弘前にある歴史的建造物の中でも、特に太田さんが熱望していた場所が、旧弘前偕行社。明治40年、陸軍第八師団の将校らの親睦・厚生施設として建てられ、大工の神様と呼ばれた堀江佐吉の最後の建物となりました。イタリア・ルネサンス風を基調とし、細部に至るまで優れた技の冴えを見せる建物に太田さんも感動。当時の弘前が軍隊によって東北随一のハイカラなまちへ変貌していく象徴だったのではないかと感じ取りました。
青森を、いや東北を代表する名酒場「土紋」を6年ぶりに訪問。日本酒は、地元・三浦酒造の「豊盃(ほうはい)」一銘柄のみ。ズラリと並んだ豊盃のラベルは壮観です。まずはおすすめの燗酒に、迷いなく名物の「いがめんち」を注文。少し多めの油で表面を揚げ焼きしたイカのミンチは、ジューシーでやみつきの味。そして人気のいかわた正油漬けはとろり濃厚な味わいで呑兵衛にとって垂涎の一品。食べ継がれてきた土地の味と銘酒に酔いしれた太田さんでした。