10月21日~10月25日
10月21日(月)
「南北連結道路を爆破! ウクライナ戦線に兵士派遣⁉いま北朝鮮に何が」
ゲスト:平井 久志(共同通信客員論説委員 / 元ソウル支局長)、古川 勝久(元国連安保理 北朝鮮制裁委員会専門家パネル委員)
北朝鮮の動きが不穏だ。15日、韓国とつながる北側の道路や鉄道を完全に遮断、更に南北を結ぶ道路の一部区間を爆破した。南北連結道路は1991年の「南北基本合意」に明記された代表的な「南北共同事業」とされたものだった。今年1月、金正恩総書記が、韓国を「第1の敵対国」と規定し、これまで"民族の悲願"とされてきた「南北統一」を放棄することを表明していた。この破壊行為は、そのことを国内外に示す意図があってのことだろうか。これに対し韓国政府は「明確な合意違反だ」と糾弾する声明を発表した。南北関係の緊張が高まる中、北朝鮮はロシアと急接近している。6月、両国は包括的戦略パートナーシップ条約を締結。これに対し、韓国の国防相は、ロ朝両国は「軍事同盟に劣らないほど緊密になっている」として、北朝鮮がウクライナ戦線へ軍を派遣する可能性が非常に高いとの見方を示していた。そしてウクライナのゼレンスキー大統領も、ロシアによるウクライナ侵攻の前線に「北朝鮮が既に兵士を派遣している」と主張している。
ゲストは、長年にわたり朝鮮半島情勢を取材してきた平井久志氏と、北朝鮮制裁を監視する国連安保理の専門家パネル委員だった古川勝久氏。南北間の緊張を高めようとする北朝鮮の意図と朝鮮半島情勢の行方を徹底分析する。
10月22日(火)
「プーチン大統領が頼る北朝鮮 特殊部隊派兵で戦況は?」
ゲスト:名越 健郎(拓殖大学客員教授)、鶴岡 路人(慶応義塾大学准教授)
国際社会で孤立を深めるプーチン大統領に対して、北朝鮮はロシアに年間約300万発の砲弾を提供しているといわれる。これは、ロシア軍がウクライナ侵攻で使用する約半数に当たる砲弾数だ。また、ウクライナのゼレンスキー大統領は「ロシア軍は1万人の北朝鮮兵士を動員する準備を進めている」と語った。ロシア軍が編成する北朝鮮人部隊「ブリヤート特別大隊」とは?ウクライナ戦況への影響は? 一方、ゼレンスキー氏は16日、ロシアに対する「勝利計画」を公表。NATO加盟に向けた手続きが無条件で開始されることや、ウクライナの防衛力強化などを表明した。こうした中、欧米諸国の間では「ロシア占領地放棄と引き換えにNATO加盟」の案が浮上する。「勝利計画」の先行きはどうなる?
ゲストは、「独裁者プーチン」の著者で拓殖大学客員教授の名越健郎氏。欧州政治に詳しい慶應義塾大学准教授の鶴岡路人氏。ロシアと北朝鮮の軍事協力で新局面を迎えたウクライナ戦線。北に頼るプーチン氏の次なる戦略を分析する。
10月23日(水)
「不動産不況に歯止めかからず 習政権に改善策は?」
ゲスト:真壁 昭夫(多摩大学特別招聘教授)、柯 隆(東京財団政策研究所主席研究員)
低迷が続く中国経済に歯止めがかからない...。18日に発表された7-9月期のGDP(国内総生産)は、前年同期比4.6%増にとどまり、4-6月期(4.7%)から減速。中国政府が掲げる通年目標「5%前後」の達成に黄信号が灯る。長引く不動産不況に対して改善策を示せない習近平政権は今後をどう見据えているのか? 一方、今、中国の株価は高水準を維持している。代表的な株価の指標とされる上海総合指数は、6月以来となる心理的節目の3000ポイント台へと回復。先月下旬に習政権が発表した金融緩和などの「景気刺激策」が背景にあるとされている。株価の上昇は今後の中国経済にとって明るい兆しといえるのか?
ゲストは、金融市場や世界経済の動向を研究する多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏と、中国経済が専門の東京財団政策研究所主席研究員の柯隆氏。日米の大手企業が中国からの撤退・縮小を検討するなど、外資離れも加速する中国経済の今後を徹底分析する。
10月24日(木)
「2024衆院選 投開票迫る!勝敗の行方と石破首相の『求心力』」
ゲスト:久江 雅彦(共同通信特別編集委員)、佐藤 千矢子(毎日新聞 論説委員)
「政治とカネ」への対応が争点の一つとされる第50回衆議院選挙。3日後の投開票日、国民はどのような審判を下すのか? 裏金問題で自民党に逆風の中、早期解散・総選挙に踏み切った石破首相。自ら明言した勝敗ラインは「与党で過半数」。しかし、ある情勢調査では「与党で過半数割れ」との厳しい結果が出ているという。果たして目標を達成できるのか?さらに、選挙結果が石破政権に与える影響は?
ゲストは共同通信特別編集委員の久江雅彦氏と、毎日新聞論説委員の佐藤千矢子氏。永田町に精通したベテラン記者が終盤情勢をもとに衆院選の行方を読む。
10月25日(金)
「映画『シビル・ウォー』 アメリカ内戦のリアリティ」
ゲスト:前嶋 和弘(上智大学総合グローバル学部教授)
VTR出演:ジェイコブ・ウェア(米外交問題評議会リサーチフェロー)
もしアメリカで内戦が起きたら?そのIFを描いた映画「シビル・ウォー/アメリカ最後の日」。物語は、連邦政府から離脱し〝西部勢力〟と呼ばれる反乱軍と政府軍との間で内戦が勃発。各地で激しい武力衝突が繰り広げられる中、女性の報道写真家ら4人のジャーナリストが、大統領への取材を敢行するため、ニューヨークから陥落間近いワシントンを目指すというもの。ジャーナリストたちは、行く先々で戦争の狂気や人間同士の憎悪に呑み込まれていく。"アメリカの内戦"というフィクションが、なぜ、人々の興味を掻き立てるのか?
大統領選を控え、移民問題や人工中絶、同性婚、銃規制の是非などを巡って保守派とリベラル派が対立し、国民の意見が真っ二つに割れる中、〝内戦〟が起きる事態も、あながち絵空事ではないという。いま、アメリカで何が起きているのか?政治的分極化の行きつく先とは?
今回はアメリカ政治の専門家、上智大学総合グローバル学部の前嶋和弘教授、そして米外交問題評議会リサーチフェローのジェイコブ・ウェア氏とともに、今のアメリカが抱えている〝分断〟を考える。