第22話  

陸安然(りく・あんぜん)は側室として穆澤(ぼく・たく)のもとへ輿入れした。その夜、いつになく優しく振る舞う穆澤は、ふいに自分が酒を飲まない理由を語り始める。幼き日の二皇子と、実の母が迎えた最期――それは、非情な策士たる穆澤が誕生するきっかけとなった、壮絶な物語であった。一方、まさに虎穴に入る思いで穆澤に嫁いだ安然も、悲壮な決意を固め、己の未来と引き換えに次なる一手を放つ。彼女は冬青(とうせい)に命じて、とある薬を準備させ...。