第21話  

「私は、あなたの兄を愛し、大瀚(だいかん)の慶(けい)王殿下に嫁ぐの」。穆川(ぼく・せん)には、陸安然(りく・あんぜん)の言葉が到底真実とは思えなかった。しかし彼女はその発言を翻そうとしないばかりか、穆川にもらった腕輪まで放り投げて捨ててしまうのだった。打ちひしがれて地べたに座り込み、1人で酒をあおる穆川。そこへ穆澤(ぼく・たく)が。隣に腰を下ろした兄と語り合ううち、穆川は憤りと嘆きの入り混じった本心をぶつけ...。