第17話  

「私と王妃の間に、不貞はありませんでした」。陸安然(りく・あんぜん)に陥れられたことを悔やみながら、蔡望津(さい・ぼうしん)は自害した。望津よ、あの世で待て――穆澤(ぼく・たく)はただ、そうつぶやくのみだった。一方、陸家を守るため非情に徹する姉に失望した昀(いん)は、屋敷を飛び出してしまう。彼が蕭映(しょう・えい)将軍の軍営に身を寄せていると知った安然は、弟を連れ戻そうとするが、門前払いされ...。