第9話  肉じゃが

脚本:真辺克彦 監督:松岡錠司
出演:小林薫、前田亜季、東風万智子、安藤玉恵、オダギリジョー

ある夜、常連客の金本(金子清文)が、彼とは不釣合いな美人・千秋(東風万智子)を連れ店にやってきた。マスター(小林薫)の作った「肉じゃが」を見て、「うちは牛肉を買うお金がなくて豚肉だった」と言う千秋。彼女をいじらしく思った金本は、あたりはばからず、さらにいちゃつき始める。
一方、店にはたびたび、バースディケーキをデリバリーするノリ子(前田亜季)という女が現れていた。ノリ子も肉じゃが好きで、昔は貧乏で豚肉を使っていたと話す。北海道の田舎で、六人兄弟の末っ子に育ったという彼女の身の上を聞くマスター。そのノリ子に、常連の五郎(松尾諭)が自分あてのケーキを頼む。五郎にはその昔、「肉じゃがしか作れない」と話していた女に、貯金を丸ごと盗まれた過去があった。