第1話  邯鄲(かんたん)の少年

紀元前259年、長平の戦いの後、秦は趙の都、邯鄲を攻略する。人質として邯鄲にいた秦国太子安国君の子、嬴異人(始皇帝の父)は、呂不韋に促され邯鄲を脱出するが、妻の趙姫および子の政(後の始皇帝)は、追手の目をくらまそうという呂不韋の考えで邯鄲にとり残される。嫡子の地位を狙い、帰郷を快く思わない嬴傒(異人の異母兄弟)も異人を追う。追われながらもようやく秦の都、咸陽にたどり着いた一行は、目立たぬよう監獄に身を潜めた。