第136回  鹿児島県指宿市で郷土料理とあふれる家族愛

今回の舞台は、古来より温泉地としても有名な鹿児島県指宿市。薩摩半島の最南端に位置し、指宿のシンボル・開聞岳は、整った山頂となだらかな稜線が美しく「薩摩富士」とも呼ばれ、日本百名山にも数えられています。この地で半世紀にわたり暖簾を守り、地元の方に愛され続けている老舗の名店をご紹介します。

温泉が噴出する伏目海岸一帯では、昭和18年頃から温泉熱を利用して塩作りを行っていました。今も湯煙が上がっている山川製塩工場跡は、当時の塩田跡と泉源が現存している珍しい場所。時代の移り変わりを伝える貴重な産業遺産で、太田さん、昭和ノスタルジーに浸ったようです。

さて夕暮れ時、地元食材を手ごろなお値段で提供する評判のお店 「味彩 むさし」を初訪問。まずは黒糖焼酎「里の曙」のお湯割りで。そこにお目当ての鰹のタタキ。若い鰹は新鮮で、薬味たっぷり自家製ポン酢に浸せば箸が止まらない旨さ。名物さつま揚げは、ふわふわに仕上がり風味豊か。仕事が丁寧でひと手間かけた絶品の肴と、裏方で支えるお母様との出会いもあり、太田さん、今宵も心地よく美酒に酔いしれました。

太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選
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