第117回 したたかな京都人?光悦と宗達~光悦寺・養源院~
安土桃山時代から江戸時代初期にかけて京都で活躍した芸術家・本阿弥光悦と俵屋宗達。今回は、京の町衆から絶大な人気を集めていた光悦と琳派の祖と言われる宗達ゆかりの地をめぐる。
まずは、上京区にある光悦の屋敷跡を訪れ、洛中の中心地で京の町衆にもてはやされていた時代の光悦に思いを馳せる。
その後、徳川家康の命により洛外の地に移った光悦の足跡を追って鷹峯へ。豊臣秀吉が築いた御土居跡や老舗醤油屋などを巡り、光悦の美意識が息づく光悦寺へと足を延ばす。鷹峯三山が借景として眺められる庭は、真っ白の雪に覆われており息を飲む美しさ。
洛外ならではの冬の光景を堪能した後は、東山区にある俵屋宗達ゆかりの養源院へ。浅井長政の菩提寺を彩る宗達渾身の杉戸絵はあまりにも有名だが、実はこの絵には壮大なファミリーヒストリーが秘められている。
浅井家、豊臣家、徳川家が和合する奇跡の寺で、古人の智恵と家族愛に触れる。