第27話  しのぶの選択

静子の葬儀が終わった日、千鶴子は大丸家を出て行こうとする。
しのぶは千鶴子を引き止める。耕造も静子に代わって二人の娘を守っていく決意を語る。則子も二人の娘を認め、やさしく千鶴子を抱きしめる。千鶴子は胸が一杯になる。
数日後、しのぶは心に或る思いを秘めて新太郎と会う。
翌朝、しのぶは置手紙を残して、大丸家からいなくなる。
七年後、平成三年冬。二十六歳になった千鶴子は、恋人の哲也から誕生日プレゼントとしてトパーズのペンダントをプレゼントされる。その宝石を見て、千鶴子はしのぶのことを思い出す。