第105回 杜の都・仙台で熱燗と名物料理を堪能!
今回の舞台は、伊達政宗公が築いた城下町・仙台。豊かな自然と都会が調和した街と、受け継がれる伊達文化が訪れる者を魅了します。山間を中心に散策し、夜は市街地に戻り、念願の居酒屋へ。この地に根付いた独自の料理と燗酒を堪能します。
まずは太田さん、仙台駅からバスで40分ほどの秋保工芸の里へ。仙台箪笥など伝統工芸の技を間近に見ながら、自身もこけしの絵付け体験に挑戦しました。平家の落人伝説でも知られる西方寺にお参りした後は、名物の「三角定義あぶらあげ」が食べられる定義豆腐店へ。外側のかりかりと肉厚の中身は一度食べたら癖になる美味しさで、多くのファンがいるのにも頷けました。
さて念願の1軒目。「白雪」は太田さんが大学の教え子からすすめられたお店です。落ち着いた雰囲気の中、選んだ酒は宮城の銘酒「黄金澤」。凛とした香りが引き立つ芯のとおった燗酒に、太田さんの頬が緩みます。毛がにの共和え、たらきくの松前焼き、太刀魚とえごまの葉の辛煮。どれも料亭のような品揃えに、ご主人の腕の確かさを知りました。
続いて訪れたのは、太田さんが熱望したせり鍋が食べられる代表的な居酒屋「侘び助」。せり鍋はいまや宮城の冬の定番グルメとして全国的に知られています。まずは地酒「萩の鶴」から。寒冷な気候と綺麗な軟水で丁寧に醸しています。お待ちかね、せり鍋の登場です。せりは春の七草の一つにも数えられる野菜で、旬は冬から春先にかけて。このせりをたっぷりと鍋に入れて根っこの部分まで食すのが仙台せり鍋の特徴です。歯ごたえのある食感と旨みのきいた出汁の相性は抜群で、何杯でも食べられそうな美味しさ。根が主役の絶品鍋に、太田さん感嘆しました。
杜の風土と人・技・心に育まれた味わいの数々...。食通たちを唸らせる仙台生まれの美味いもんをご覧ください。