第1話 狼怪(ろうかい)の噂(うわさ)
奎州(けいしゅう)城主・馬瑛(ばえい)の娘、馬摘星(ばてきせい)は父親不在の馬府で義母や義兄から冷たくあしらわれていたが、郡主として民からは慕われていた。昨今、巷では「狼の肉が百病に効く」と話題になる一方で、狼狩(ろうしゅ)山には人の姿にも似た狼怪(ろうかい)が出るという噂(うわさ)がささやかれ、実際に襲われたという者まで現れる。おびえた民は城主代理の馬俊(ばしゅん)に退治してくれと直訴。馬俊は相手にしないが、馬摘星が言葉巧みに馬俊に狼狩山の調査を承諾させる。馬俊が山へ出かけていくと...。