第104回 歴史ある町 茨城・笠間で燗酒堪能[字]
今回の舞台は、笠間焼で有名な茨城県笠間市。古くから日本三大稲荷の一つに数えられる笠間稲荷神社の鳥居前町として、また笠間城の城下町として栄えてきました。太田さん初訪問のこの町で、どんな驚きと発見の居酒屋に出会うのか、地元に愛される郷土料理と燗酒を堪能します。
まずは笠間焼の窯元が並ぶ街道から。訪れたのは「回廊ギャラリー 門」。店内の回廊には常時80人以上の作家の作品が並べられています。今宵の居酒屋巡りを前に太田さん、口当たりの良いぐい呑みを手に入れました。
笠間稲荷東側の小路へ入っていくと、香ばしい匂いが漂ってきました。「うなぎ量深」。板前こだわりのうなぎ専門店として県外からも定評があります。うなぎが大好物の太田さんは、迷わず特上うな重を注文。合わせる燗酒は地元茨城の銘酒「武勇」。舌の上でとろける鰻の旨みと香ばしさを味わい尽くした太田さん、完食です。
門前通りの外れを歩いていると、仄かに灯るランプを見つけました。「酒場 儘田(ままだ)」。ご主人の人の良さもあり陶芸家や農家など常連客でいつも賑わっている名店です。まずは笠間の地酒「稲里」の燗酒から。酒のアテに最高なのが、さばのこんか漬けにねぎ塩やっこ。どれも酒飲み泣かせの味。酒器の談義にも熱がこもります。
さらに、古民家を移築して作られた居酒屋「阿亀」の肴を堪能し、その後もう一軒、米蔵を再利用したモダンなバー「OPERA」へ。クラシックな店内に、デザイナー太田さんの心は刺激されます。いつになく、カクテル・ホワイトレディが〆の一杯となりました。
伝統の枠にとらわれず、自由な発想を愉しむ笠間焼の特徴は、店造りにも活かされていると太田さんは言います。新たな息吹で活性化を図り続ける笠間の佇まいをご覧ください。