第1話 胸騒ぎの始まり
大虞(だいぐ)国恒京(こうけい)令の次女・傅容(ふ・よう)は明るく活発な性格だが、木から落ち意識を失ったのを機に不吉な夢を見るようになり、胸騒ぎが現実になるのを恐れ始めた。そんな折、巷で大人気の文人・掬水農夫(きくすいのうふ)の文芸評論会が開催されることを知った傅容は、そこで何かが起こりそうな不安に襲われる。何とか招待状を手に入れ評論会に足を運ぶと、不安が的中し会場の梁が落下して大混乱に。とっさに傅容が救った相手は、戦線から帰還したばかりの粛(しゅく)王・徐晋(じょ・しん)だった。