第42話  聖母と金貸し

syofutosyukujo_42.jpg 六年後。戦後の傷跡が残る昭和22年、春──。
久我山(野村宏伸)と共に海に身を投げた真彦(鳥羽潤)の死を乗り越え、紅子(安達祐実)は眞一(根岸大樹)を育てながら、藤堂(石川伸一郎)の孤児院を守っていた。子どもたちから、「紅子かあさん」と慕われる紅子だが、裏では冷酷な金貸しをしていた。全ては子供たちを、眞一を守るため。眞一を麗華(木下あゆ美)に返すその日まで誰に恨まれても生き抜く。しかし、出所したはずの麗華の行方はわからないままだった。
そんなある日、紅子が待ち続けていた藤堂が復員してくる。紅子のために、必死に生き抜いてきた藤堂は、紅子に求婚するが...。
借金の取り立てのため、紅子は元の清瀬家を訪ねる。六年ぶりの家は、娼館になっていて...。