第1話 瓜二つのふたり
昭和十二年、初春。貧しい家庭に育った紅子(安達祐実)は盗みに入った子爵・清瀬家の別邸で自分と瓜二つの令嬢・凛子(安達祐実)と出会う。
凛子には兄と慕う真彦(鳥羽潤)がいつも付き添っていた。真彦は別の子爵家の次男で、凛子を守るために、清瀬家に引き取られたのだ。その真彦が見間違うほど、紅子と凛子の容貌は似ていた。病弱な凛子が蝶のように飛び立ちたいと願う一方で、「生きていくためだったら光を探して飛ぶ蛾でもいい」と言う紅子。蝶と蛾、対照的な二人。
一方、清瀬家の絶対権力者、凛子の祖母・ミツ(赤座美代子)が来週行われるパーティで、凛子の結婚相手を発表すると、勝手に宣言する。その上で凛子の婿に爵位を譲る、と。爵位と財産を狙い、凛子の義弟・太一(久保山知洋)、執事の藤堂(石川伸一郎)の野望が燃え上がる──。