8月1日~8月5日

8月1日(月)
「ウクライナ新局面!? ロシアが占領地域併合を強行か?」

ゲスト:名越 健郎(拓殖大学特任教授 / 元時事通信モスクワ支局長)、廣瀬 陽子(慶応義塾大学総合政策学部教授)
解説:豊田 祐基子(ロイター通信日本支局長)

ロシア軍侵攻から5か月余、戦況は膠着状態だが、ロシア側の新たな動きで、ウクライナ情勢は新局面を迎えそうな気配だ。
ロシアのメディアによると、プーチン政権は、主戦場のドンバス(ウクライナ東部2州)を全面制圧して、8月にもロシア編入の「住民投票」を実施する計画だという。2014年、ロシアが占領したクリミア半島は、その後、住民投票の末、ロシア本国に併合された経緯がある。
また、今年12月、旧ソビエト連邦が結成100周年を迎えるタイミングで「ミニ・ソ連」を結成する構想も、愛国勢力の間で囁かれている。ロシア周辺の占領地や「未承認の親ロシア系国家」を併合して、ロシアを周辺に拡大していこうというのだ。その「新USSR」のSは「ソビエト」ではなく「スラブ」のSだという。
「ソ連崩壊はロシアの歴史の破綻」と嘆くプーチン大統領の野望とは...。ウクライナの今後を専門家と考える。


8月2日(火)
「臨時国会あす召集 追悼演説延期の波紋と政権への影響」

ゲスト:伊藤 惇夫(政治アナリスト)、岩井 奉信(日本大学名誉教授)
解説:太田 昌克(共同通信編集委員)

参院選で大勝した自民党だが、安倍晋三元首相の死去により政界の構図は大きく変わりつつある。
自民党最大派閥・安倍派を率いてきた安倍氏の言動は、岸田文雄首相の政権運営に大きな影響を与えてきた。今後、岸田政権は、「積極財政」「防衛力強化」「改憲」など、安倍氏が推進してきた重要課題に、どう対応していくのか?
また、3日に召集される臨時国会での安倍氏の追悼演説は延期となり、「国葬」に世論の賛否が割れる中、岸田首相は、どう説明責任を果たすのか?旧統一教会問題への対応は?
内閣改造・党役員人事を控える中、強力なリーダーを失った「安倍派」の行方と、岸田首相の今後の政権運営をベテラン政治ウオッチャーが徹底議論する。


8月3日(水)
「台湾めぐり米中対立激化!習近平主席3期目に死角は?」

ゲスト:宮本 雄二(元駐中国大使 / 宮本アジア研究所代表)、近藤 大介(講談社特別編集委員)
解説:太田 昌克(共同通信編集委員)

先月28日、米国・バイデン大統領と中国・習近平国家主席が、約2時間20分にわたり、電話による首脳会談を行った。中でも、台湾をめぐる問題では、ペロシ米下院議長の「訪台」が、米中関係の新たな火種となっている。
こうした中、秋の中国共産党大会で、異例の3期目を狙う習近平氏。自身の去就と合わせて、にわかに注目されているのが「外交部門の人事」だ。
長きにわたり中国外交の司令塔を務めた、楊潔篪(よう・けつち)政治局員と、王毅(おう・き)国務委員兼外相の両氏が「党大会の年に68歳に達していれば引退」という党内規に達し、通例であれば退任の運びとなる。特に、台湾問題に精通する楊氏と王氏の退任は、加熱する米国との対立を見据えた習近平指導部にとって、大きな不安要素になりかねない。
習主席の3期目は既定路線なのか。習政権を左右する中国外交の行方について、内情を知る専門家と徹底議論する。


8月4日(木)
「中間選挙まで3か月 深まる米国の分断」

ゲスト:木村 太郎(ジャーナリスト)、渡部 恒雄(笹川平和財団上席研究員)
解説:豊田 祐基子(ロイター通信日本支局長)

先月末、トランプ前大統領が退任後、初めてワシントンで演説し再出馬に強い意欲を示した。一方、低支持率のバイデン大統領は、新型コロナの感染から回復し、トランプ政権時代との対応の違いをアピールした。
両者の頭にあるのは、3か月後に迫った中間選挙だ。2年後の大統領選挙の前哨戦として、民主・共和両党の激しい争いは、米国の「分断」を深めているという。
去年1月の連邦議会占拠事件の責任追及のため、下院議会では特別委員会が開催。また、連邦最高裁の人工妊娠中絶をめぐる司法判断で、保守派とリベラル派の対立が激化...。
選挙のたびに深刻化する米国の「分断」は何をもたらすのか。詳しいゲストと行く末を考える。


8月5日(金)
「ローカル鉄道の危機!? 持続可能な公共交通のあり方を考える」

ゲスト:竹内 健蔵(東京女子大学 教授)
VTR出演:吉田 千秋(ひたちなか海浜鉄道 代表取締役社長)

毎月第1・第3金曜日は、ジャーナリストの岸田雪子が、月曜~木曜日で扱う政治・経済・国際問題や安全保障といった硬派なテーマにとどまらず、子育て・教育・カルチャー・スポーツなど、身近なテーマを生活者目線で取り上げ、分かりやすくかつ 週末を迎える視聴者がホッと一息つけるような、明るい未来志向のスタンスでお送りしていきます。
JR東日本が発表した2019年のローカル鉄道の経営状況では、平均通過人員が1日2,000人未満の66区間全てが赤字だったという。地方から都市部への人口流出も収まる気配はなく、沿線利用者は減少の一途を辿っている。車両や設備の老巧化も進んでおり、JRのみならず、第三セクター系も含め、まさに多くの路線が危機的状況に直面している。地元住民の恒久的な足としての役割を担う中で、存続する為の打開策・活路はあるのか?沿線の観光資源をフックに令和に入り黒字化を実現した「ひたちなか海浜鉄道」の例や、その他の成功事例を題材に、持続可能な公共交通のあり方について考える。