第91回 山梨・甲府で地酒とワインを満喫!
ようやく旅に出られる季節となりました!今回は日本で初めてワインが作られた土地、山梨県甲府市が舞台。今年は武田信玄公生誕500年でもあり、歴史をひも解きながら、自然に育まれた甲斐の銘酒名店をお届けします。
まず訪れたのは甲府駅から徒歩5分、ワインの製造から販売まで手掛ける大正6年創業のワイナリー「サドヤ」。およそ700坪に及ぶ地下ワインセラーを見学した後は、お待ちかねのテースティング。コクがあってキレイな赤ワインを堪能した太田さん、日本酒党からワイン党に変わりそうと終始ご満悦でした。
そして待望の居酒屋一軒目は、店先の日本酒にご主人の心意気が覗く「すぎや」。料理の品数も百を超え、地元で愛され続ける名店です。「旦(だん)山廃純米吟醸』」は赤旦とも呼ばれる生原酒で、旨口が自慢。もちろんお燗で。ワタの味がほど良いイカの塩辛、山梨の伝統野菜・八幡芋の煮物との相性がよく、充実した品々はどれも絶品でした。
今回の旅で太田さんにとって是非とも行かねばならないお店がありました。それが1964年開店の「くさ笛」。
女将の樋口東洋子さんが切り盛りするカウンターだけの小さなお店で、山梨の地酒やワインなどを50種類以上揃え、料理は季節の食材を中心に素朴で温かいものばかりです。まずは小さな里芋「きぬかつぎ」から。合わせたのが甲斐の地酒、春鶯轉(しゅんのうてん)純米酒。そして女将さん自慢の意外なひと品は、なんと舞茸に柿とシャインマスカットの天ぷら。その意外な旨さに痛く気に入った様子の太田さん。最後に記念の江戸盃を進呈。ともに盃を交わし、満面の笑顔のあとに流した涙に、みな胸を熱くしました。
人に会うことの大切さをこれほど身に染みたことはなかったという甲府の旅。そこで酌み交わす酒の旨さとともに、旅の豊かさ素晴らしさをご紹介します。