第85回 東京・西部 "御酒燗帖"で燗酒めぐり
日本酒は燗酒こそと、隠れた名店を数多く紹介してきた居酒屋探訪家の太田和彦さん。今回は、御朱印帖ならぬ「御酒燗帖(ごしゅかんちょう)」を持ってお燗酒の名店3軒を巡ります!
東京・杉並区西荻窪にある燗酒と肉料理を出す名店『カントニクス』。
これまで店主が訪れたお店の痕跡をとどめたいと「御酒燗帖」を生み出した居酒屋でもあります。味噌だねにマスカルポーネチーズを加えた"ティラミソ"や、中東のなす料理をアレンジした一品など、初めての食感にご満悦の太田さん。最後に素敵な印をいただき、新たな絆を刻むことができました。
続いては、新井薬師前駅近くにある手打ち蕎麦の店『吉』。
料理担当のご主人と、季節ごとにお燗の温度を変えているというお燗番の女将さんご夫婦で営んでいます。蕎麦前には日替わりの三点盛りとホタルイカの佃煮を堪能。「神亀」のお燗が落ち着きのある旨さを引き立てます。
最後の燗酒巡りは、高円寺にある『おさけと小料理 non』。
太田さんが御酒燗帖を初めて知ったお店です。約300年続く徳島の銘酒「旭若松」を割り水燗で。季節限定の春山菜のおひたしは、過ぎ行く春を惜しむ一品。変わらぬ旨さを提供し続ける女将の心意気に感銘を受けました。
酒には人と人の縁を起こし、温め、つなげる力がある。困難な中、確かな味を守り続ける名店をご紹介します!