第74回  京の刀剣めぐり~源氏の兄弟刀と菊御作~

解説:茂山 七五三(大蔵流狂言師)

今回は、刀剣を愛する狂言師と、京の銘刀に秘められた古の物語を紐解く。
まず最初に訪れるのは、京都市上京区にある北野天満宮。学問の神様であると同時に武芸の神様でもある菅原道真公を御祭神として祀っている。武運長久を願って様々な刀剣が奉納されているが、その中には銘刀「鬼切丸」も含まれている。大覚寺に所蔵されている「薄緑」と共に源氏の兄弟刀として人気が高く、「鬼切丸」を一目見ようと熱心な刀剣ファンが足を運ぶ。狂言師・茂山七五三さんも魅せられた「鬼切丸」の魅力とは?
続いて右京区にある大覚寺を訪れ、もう一方の源氏の兄弟刀「薄緑」を紹介。北野天満宮と同時に開催されることになった企画展にまつわる不思議なご縁に迫る。
そして、刀鍛冶とゆかりの深い東山区の粟田神社にも足を延ばし、狂言「粟田口」を通して狂言と刀剣の結びつきに触れる。
さらに後鳥羽上皇が自ら作ったと伝わる銘刀「菊御作」も紹介し、承久の乱を紐解きながら、刀剣に注ぐ上皇の情熱に思いを馳せる。

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