第29回  日本近代美術の展開を辿る『神奈川県立近代美術館』《神奈川・葉山》~イサム・ノグチ、和達知男、村山知義、古賀春江~

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●日本近代美術の展開を辿る「神奈川県立近代美術館」へ。
日本の美術館の魅力を纏めた一冊の本『フランス人がときめいた日本の美術館』。著者でフランス人の美術史家ソフィー・リチャードさんのメッセージをヒントに、女優で詩人の近衛はなが日本の美術館の魅力を再発見するトキメキの旅へ。今回の舞台は「神奈川県立近代美術館」。日本の近代美術の展開を辿ります。

●絶景の海を望む、葉山に建てられた県立の近代美術館
神奈川県立近代美術館は日本に初めてできた公立近代美術館として、1951年、鎌倉の鶴岡八幡宮に開館。その後1984年に鎌倉別館がオープン。そして2003年に開館したのが、今回ご紹介する葉山館。その所蔵品は、14000点あまりを誇ります。

●出迎えてくれるのはイサム・ノグチの彫刻
葉山館で出迎えてくれるのは、イサム・ノグチの彫刻「こけし」。作品には、妻で女優の山口淑子(李香蘭)とのエピソードが。さらに、アントリー・ゴームリーの「インサイダーⅦ」なども展示されていて、野外でアート散策が楽しめます。

●「モダンなフォルム」と題したコレクション展で近代美術の展開を知る
明治から大正、昭和に移る中で、西洋と日本の伝統が混ざり合いながら展開する近代美術を堪能。
リアリズムからキュビスム、シュルレアリスムの影響を受けながら、日本独自の近代絵画が生まれました。
番組では、高橋由一、横山潤之助、佐伯祐三、永野芳光、和達知男、村山知義、古賀春江の作品を中心に、その展開を辿ります。

●「山口蓬春記念館」にも足をのばす、葉山アートの旅
神奈川県立近代美術館から徒歩5分、小径を抜けていくと日本画家・山口蓬春記念館が見えてきます。蓬春もまた、西洋の感覚を日本画に取り入れ、近代美術を牽引したひとりです。

紹介作品:萬鉄五郎「日傘の裸婦」、和達知男「眼鏡をかけた自画像」、横山潤之助「風景」、村山知義「母親になったモダンガール」原画、永野芳光「静物」、古賀春江「サーカスの景」「窓外の化粧」、岸田劉生「童女図(麗子立像」、イサム・ノグチ「こけし」、アントニー・ゴームリー「Insider Ⅶ」ほか

取材協力:神奈川県立近代美術館、山口蓬春記念館