第12回  陶芸家が手掛けたスタイリッシュな建築『佐川美術館』(滋賀県・守山)

japanese-museums_12 japanese-museums_12

●陶芸家が手掛けたスタイリッシュな建築「佐川美術館」へ。
日本の美術館の魅力を纏めた一冊の本『フランス人がときめいた日本の美術館』。著者でフランス人の美術史家ソフィー・リチャードさんのメッセージをヒントに、モデルでタレントの松本愛が日本の美術館の魅力を再発見するトキメキの旅へ。今回の舞台は、滋賀県・琵琶湖のほとりにある水に浮かぶ「佐川美術館」です。

●1998年、物流会社・佐川急便の創業40周年を記念して開館
佐川美術館は、1998年、物流会社・佐川急便の創業40周年を記念して開館しました。創業者の夢を叶えた美術館は、そのスタイリッシュな建築で、数々の賞を受賞しています。

●巨匠"平山郁夫"の展示館
日本を代表する二人の巨匠の作品が水庭を挟み、2棟に並び展示されていました。。「平山郁夫館」は、日本画の巨匠・平山が68歳のとき開館。300点を越える所蔵の中から、随時テーマに合わせて選ばれる名画が並びます。番組では、平山が、砂漠とらくだという代表的なモチーフで、同じ場所を3つの時間帯に描いた名作「桜蘭の朝」「桜蘭の夕」「桜蘭の月」や、被爆体験があり、戦争を題材にすることを避けていた平山が、内戦跡のサラエボで会った子供たちを描いた「平和の祈り」等を紹介します。

●野外彫刻を広めた"佐藤忠良"の展示館
「佐藤忠良館」は、日本に野外彫刻を広めた彫刻家・佐藤の作品が集められています。そこでは、『おしゃべりしない眼』と題した展覧会が開かれていました。そのタイトルのように佐藤の作品には、あるものがない!それは、一体?

●陶芸家・樂吉左衞門が水庭の下に自ら設計したという茶室
さらに旅人は、ソフィーさんの「現代的なふたつの茶室がみごと」というメッセージをもとに、陶芸家・樂吉左衞門が水庭の下に自ら設計したという茶室を訪れます。そこには、伝統の中で、常に新しい表現と格闘してきた樂焼きの窯元ならではの来客を驚かせる仕掛がありました。

「佐川美術館」は、想定を越えて訪れた人々を楽しませてくれるそんな場所でした。

紹介作品:平山郁夫「木の間の釈迦堂 比叡山 延暦寺」「楼蘭の朝」「楼蘭の夕」「楼蘭の月」「平和の祈り サラエボ戦跡」、佐藤忠良「冬の像」「群馬の人」「鋳物職」「帽子・夏」、樂吉左衞門「白土焼貫茶碗」「焼貫黒樂茶碗」、ヴォルス「あざみ」「水は生命を与える」ほか

取材協力:佐川美術館