第59回 大坂の陣前夜 豊臣秀頼『豪胆な徳川手切れ』
今回のテーマは、「大坂の陣」
▼ひも解く歴史の謎
①気弱で優柔不断はウソ?「豪快」だった秀頼の実像
②家康への「悪意に満ちた礼状」
③堀の埋め立ては豊臣方にとって「最善の選択」!?
真田信繁(幸村)が「真田丸」を築き大活躍した大坂の陣。家康の言いがかりとも言われる「方広寺鐘楼事件」がきっかけとなり、戦いが始まったというのが歴史の定説である。
しかし史料をひもといていくと、秀頼と家康が対面した「二条城の面会」と「方広寺鐘楼事件」の間に些細な出来事があり、それが開戦のきっかけとなった可能性があることが分かった。
カギとなるのは、秀頼による家康への「悪意に満ちた礼状」。暗愚でひ弱、周囲の人間に振り回され豊臣家を滅亡させたというイメージを持たれている秀頼。大坂の陣前夜に仕掛けた秀頼の行動から、彼の豪胆な人物像が浮かび上がる。歌舞伎俳優・尾上松也と中村隼人が歴史の真実に迫る。
古地図案内人:福田千鶴(九州大学文学部教授)