第10回  銀座は庶民の街だった!?知られざるもうひとつの顔

銀座は庶民の街だった!?知られざるもうひとつの顔 第10回

最先端のブランドショップが立ち並び、高級感あふれる街・銀座。自らが生まれ育った街を、歌舞伎俳優・尾上松也が古地図を片手に探究します。銀を鋳造する施設を表す「銀座」。駿河にあった銀座が江戸に移転してきたのは約400年前でした。その後、鋳造施設としての「銀座」は日本橋に移転しますが、通称としての「銀座」という地名はそのままこの地に残りました。今では高級なイメージのある銀座ですが、かつてはあらゆる職人が暮らした庶民の街でした。古地図に残る「南鍋町」「弓町」「鎗屋町」は、それぞれの職人が暮らしていた街を表すもの。江戸城に近いこの地には、将軍お抱えの職人たちが多く暮らしていたのです。この街には、丸太を柱や板に製材する木挽きという職人も暮らしていました。しかし、木挽き職人が暮らしていた木挽町は銀座の中でも江戸城からは遠い位置。丸太の運搬には不向きとも思えるその場所ですが、実は当時の銀座では最も適した場所だったのです。その答えは古地図の中にありました。また、職人の街・銀座では江戸前寿司や天ぷらも人気でした。現代では高級グルメとして人気のメニュー。当時の意外な姿とは。

古地図案内人:跡部蛮(歴史作家)