第2回 ヒーロー!それとも?新選組の真実
多くのドラマや小説でヒーローとして描かれてきた剣客集団「新選組」。歌舞伎俳優・尾上松也が、古地図をもとにドラマには描かれない新選組の意外な真実に迫ります。京都の治安を維持するために幕府から雇われていた新選組。祇園や西本願寺など、現在の京都中心部が担当エリアでしたが、当時は京都の外れの地域でした。新選組は、壬生狼と呼ばれる厄介者で、幕府の役人にとって御所や二条城など重要個所から遠ざけておきたい存在だったのです。文久3(1863)年の古地図には、新選組が兵法訓練を行った壬生寺が記載されています。その表記は「みぶ寺」。漢字が読めない町民が多かったことから、ひらがなやカタカナも多用されています。古地図には、新選組の隊服が浅葱色(水色)になった理由のヒントも描かれています。あの有名な隊服は、いったい何を表現したものなのでしょうか。新撰組の局長・芹沢鴨が乱痴気騒ぎを起こし静粛のきっかけとなった料亭「角屋」には、今も芹沢が切りつけたとされる刀の傷が残っています。文久3年9月18日に暗殺された時も、新選組は角屋で宴会を行っていました。暗殺の夜、芹沢と近藤勇・土方歳三らはどのような道筋をたどったのか。古地図を見ながら、芹沢暗殺の夜を紐解きます。
古地図案内人:木村幸比古(霊山歴史館副館長)