柳家喬太郎の気楽に粋ましょう! こぼれ話
落語ブームといわれて久しいですが、昨今のブームの担い手の中でも最もチケットが入手困難な落語家の一人といえば、柳家喬太郎師匠。BS11の看板番組「大人の自由時間」木曜日のレギュラー司会者としても活躍していただいております。
さて、テレビ局員の仕事といえば、日ごろいろいろな出演者の方々と接する機会が多いですが、仕事を離れたプライベートでは一ファンとして芸能人の方々を追っかけたりすることもありまして、実は私Nは落語が大好き。中でも、柳家喬太郎師匠は大のつくファンなのです。
たとえお仕事で接点があろうとなかろうと、会社を離れれば一個人。入手困難なプラチナチケットを一生懸命、地道に購入して、高座を聴きに行きます。が、一個人とはいえお仕事でもお世話になっているわけですから手ぶらで行くわけにも行きません。何かしらの手土産をぶら下げて、名刺を入れて受付の方に「これ、つまらないものですが師匠に......」とお渡しして、場内に入ります。
こんなことを地道に続けているわけですが、昨日(6日)、中野の「なかのZERO」で行われた「落語教育委員会」に喬太郎師匠が出ると聞きつけ、行ってきました。この日は同門の柳家喜多八師匠と、もう一人、三遊亭歌武蔵師匠も出演されるとあって、これは是が非でも見に行かなくちゃならんと、がんばってチケットを入手しました。というのも、歌武蔵師匠は、喬太郎師匠が高座でどうしても番組に出られない時のピンチヒッターとして「気楽に粋ましょう!」にご出演いただいている縁浅からぬお方......。
てなわけで、いつも通り、受付でご挨拶して、座席について、喬太郎師匠のご登場を待ちました。この日の演目は「頓馬の使者」。映画監督の山田洋次さんが5代目小さん師匠のために書いた創作落語ですが、この噺のまくらで開口一番。「私はテレビ局のBS11で週一回、気楽に粋ましょう! っていう番組の司会をやっているんですが......」てな感じで、BS11について語り始めてくださいました。
もちろん、単なる番組宣伝ではなく、そこはプロの話芸。きっちりお笑いのネタとして落としてくださいましたが、それにしても正味5分ほどは番組やBS11絡みの話に費やしていただき、とてもいい宣伝になりました。意外なリップサービスにありがたいやら、恐縮するやら......。
いやね、別に、日ごろの手土産はこんなことをおねだりするつもりでもって行ってるわけじゃないんですよ。妙に恥ずかしい気持ちになりながらも、心の中で手を合わせて感謝した、そんな一夜の出来事でした。