第11話  紫陽(シヨウ)

物怪庵に、今では人間たちに「神」として祀られ、安倍からは「翁様」と呼ばれている妖怪が依頼主としてやってきた。翁の依頼は、視力を失った妖怪・トモリを隠世に送り届けることだった。
翁から話を聞き、早速、トモリのもとを訪れる安倍と芦屋。だが芦屋は、トモリがかつてはその目で見ることができた現世(うつしよ)の風景を懐かしむ様子を見て、隠世に送り届ける前に何かできることはないかと考え......。