第52回  江戸前鮮魚のすばらしき味わい

江戸前鮮魚のすばらしき味わい 第52回

東京湾を望む江戸前鮮魚の街「船橋」。「船橋漁港」は、江戸時代から現代に至るまで新鮮な魚介類を水揚げする漁港として繁栄してきた。まき網漁や底びき網漁が中心で、中でも"スズキ"の水揚げ量は日本一を誇る。「三番瀬干潟(さんばんぜひがた)」は、古くから海苔の養殖が盛んだ。干潟の豊富な栄養分と伝統的な手法によって、香りと味の良い海苔ができあがる。さぁ、陽も暮れて今宵最初の居酒屋は「一平」だ。昭和32年創業の"船橋呑んべえ"に愛される老舗。壁面いっぱいのメニューに心が躍る。気が付くとカウンターは満員御礼。地酒とともにおすすめの"牛煮込み"を。長年愛され続ける定番メニューはさすがに絶品だ。"鮮魚とは前の浜で捕れた魚をできるだけ早く食べること"これを地で行くのが江戸前の名店「三番瀬(さんばんぜ)」。"鮮魚は皆きれいですよ"とご主人の言う通りいただいたサバ、スズキ、アジは見るも鮮やかな色、にごりの全くない清々しく鮮明な旨みだ。"前浜"の魚に勝るものなしと深く深く納得する。さらにアサリたっぷりの味噌汁とその炊き込みご飯の旨さに我を忘れた。この店もすごい!

<太田和彦さんが訪ねたお店>
呑み喰い処 彩三味(さいみみ)
千葉県船橋市湊町2-16-10 ナカイチビル2F

一平
千葉県船橋市本町4-42-4

三番瀬(さんばぜ)
千葉県船橋市本町4-43-17