第50回  下関 くじら料理と地酒の愉しみ

下関 くじら料理と地酒の愉しみ 第50回

関門海峡を船で渡り下関へ。古来より陸と海における文化・交通の要衝であり続けた街。今回はその歴史と食文化に触れる旅。こと、食については、フグとクジラになじみの深い土地。夜の下関。まずは、駅前の大衆酒場「三枡(みます)」。気軽な店内は明るく清潔だ。カウンター上のガラスケースには皿盛りされた刺身が並ぶ。黒板の品書には"ふく刺"、"ふくせごし"、"ふくゆびき"、"ふくちり"とフグ尽し。まずは、ひれ酒に"ふく刺"だ。一皿菊盛りは量も多く味も良い。大衆酒場なのに贅沢だなぁ。"金太郎"という赤い小魚の干物もたいへんおいしい。あぁ、酒がすすむ...。お次は、創業40年のクジラ料理専門店「下関くじら館」だ。この街はかつて、大洋漁業の捕鯨基地があり栄え、今も調査捕鯨の船が出航している。昔からクジラとなじみの深い街だ。さぁて、鯨料理はと...。これまたクジラ尽しだ。"鯨の心臓の胡麻油和え"、"鯨のほほ肉の刺身"、"鯨の天ぷら"と、贅沢な鯨を肴に酒がすすむ。あぁ、至福のひとときだ。西日本一の老舗鯨料理屋とは、なるほどうなずける。

<太田和彦さんが訪ねたお店>
三枡(みます)
山口県下関市竹崎町2-13-11三枡ビル

下関くじら館
山口県下関市豊前田町2-6-2