第25回  乱世を見つめた阿弥陀如来 日野富子と法界寺

乱世を見つめた阿弥陀如来 日野富子と法界寺 第25回

京都市の南東・伏見区日野にある法界寺の国宝を訪ねる。法界寺は平安時代後期、藤原鎌足の流れをくむ貴族・日野家の菩提寺として建立された寺院。境内には本堂の薬師堂と国宝の阿弥陀堂の2つのお堂のみが残る。中でも阿弥陀堂内に安置された国宝の阿弥陀如来坐像は、そのスケールと優しいまなざしで訪れた者を温かく包み込んでくれる。番組では秘仏とされ、普段は見ることの出来ない薬師堂の本尊・薬師如来立像の貴重な姿をはじめ、人々の浄土への想いが込められた阿弥陀堂内陣の秘密をたっぷりとご紹介。この他日本三大悪女の一人とされる日野富子のエピソードや、『方丈記』を記した鴨長明ゆかりの地を訪ねながら、平安時代から鎌倉、室町時代と乱世を見つめ続けてきた国宝の魅力に迫る。

解説:川嶋渉(京都市立芸術大学 准教授)他