第19回  金沢 歴史と文学の薫る町

金沢 歴史と文学の薫る町 第19回

加賀百万石の城下町「金沢」。
「近江町市場」は金沢っ子が"おみちょ"と呼び親しむ"金沢市民の台所"。江戸時代の開設から約290年の歴史を持ち、鮮魚や惣菜、加賀野菜の店など約180店が軒を連ねる。少し散策してみるか...。
"加賀野菜"が所狭しと並ぶ「北川食品」は仲の良いご夫婦が丁寧に食べ方を教えてくれる。「沖津食品」の女性店主は到底70代には見えず若々しくておしゃれだ。能登名産の"丸干しイカ"など酒の肴がずらっと並ぶ。う〜ん、美味そうだ。散策ついでにやってきた"ひがし茶屋街"は、文政3年(1820年)加賀藩主の前田家が城下のお茶屋を集めて作った花街。伝統的な建物が立ち並ぶ風情ある街並みだ。町屋のカフェから格子越しの街並みを眺めながら美味しいお茶をいただくのもちょっとした旅路のアクセントだろう...。夕暮れも近づいた。さぁ、居酒屋だ。
香林坊の小川が流れる小路を歩くとモダンな居酒屋が現れる。「猩猩(しょうじょう)」だ。鴇色を基本にした温かな雰囲気の店。ご主人は誠実な人柄で、若い女性たちがせっせと働く。日本酒に力を入れるが銘柄は固定せず常に30種ほど。酒は、純米山田錦米を使った地酒の"五凛"。肴は、烏賊(いか)を発酵熟成させた魚醤でいただく"いしるきゅうり"で決まり!今夜は加賀百万石の城下町でふらりほろ酔う...

<太田和彦さんが訪ねたお店>
おでん 高砂
金沢市片町1-3-29

酒房 猩猩(しょうじょう)
金沢市香林坊2-12-15割烹むら井ビル 1F