第16回  鶴岡 藤沢文学の風景と銘酒の味わい

鶴岡 藤沢文学の風景と銘酒の味わい 第16回

藤沢周平誕生の地「鶴岡」。藤沢作品で紹介される数々の風景を散策する。出羽三山の中心的存在の羽黒山。老杉に囲まれてそびえたつ五重塔は高さ30m程の重厚な木造の塔。平安中期に平将門によって創建されたと伝えられ、現在の建物は室町中期に建てられ東北最古の塔と言われている。鶴岡公園は庄内藩酒井家が約250年居城とした鶴ヶ岡城の城跡。藤沢作品では海坂藩の風景として登場する。鶴岡を代表する風景の1つが朱塗りの三雪橋。内川に架かるこの橋は一番古く大名行列もこの橋を通ったと言われ、内川は藤沢作品に登場する五間川のモデルになったとのこと。散策ついでに腹ごしらえ。
「寝覚屋半兵衛」は創業130年の庄内名物"麦切り"専門店。"麦切り"とは、うどんのような味わいで、コシのある歯ごたえと素朴な風味が特徴の?。そして何といってものど越しを愉しむのが"麦切り"の醍醐味。甘めの汁に和からしを添えて味わう?はたまらなく旨い。夕暮れとともに居酒屋へ。「いな舟」は創業50年の地魚と郷土料理の名店。おすすめの"ハタハタ湯上げ"は、ゆがいて大根おろしで食べるだけなのだが、これが最高の肴。"大羽カレイのひと塩干し"は言葉を失うほどの絶品だ。郷土の肴に舌鼓を打ちつつ、鶴岡銘酒を心ゆくまで味わう・・・

<太田和彦さんが訪ねたお店>
寝覚屋半兵衛(ねざめやはんべえ)
鶴岡市馬町字枇杷川原74

いな舟(いなふね)
鶴岡市本町2-18-3

南蛮居酒屋89(なんばんいざかや やぐ)
鶴岡市本町2-15-23