第15回  秋田 美の国・美酒の味わい

秋田 美の国・美酒の味わい 第15回

美の国「秋田」。江戸時代、江戸から離れた場所にありながら北前船などによって文化交流が盛んだった秋田は"秋田蘭画"という西洋画の手法と純日本的な画材を使用した画など独自の芸術文化が栄えた。
なるほど市内には美術館が多いのもうなずける。"美酒の国"ともいわれる秋田には蔵元や酒販店も多い。「マルヒコ」は、大正3年創業の老舗酒販店で秋田の地酒を数多く扱っている。店の主人いわく、秋田の酒は甘めのものが多いが、日本酒は甘くてあたりまえ。むしろこの甘味が旨みだそうだ。秋田の酒にかける情熱にうたれ、ちょっと試し飲み。う〜ん旨い。さぁ、夕暮れも近づいた。向かうは東北屈指の居酒屋だ。名店「酒盃」は、予想外に広く豪壮な空間に圧倒される。武家屋敷のようだ。郷土料理は主人が手を加えた洗練されたものばかり。お通しは、小皿を使った六種類の箱膳で、その彩りに心が躍る。大きなホタテの貝殻を小鍋にした秋田名物"貝焼き"はふつふつと煮えたつ海山の幸に喜びさえおぼえる。酒は美酒の国・秋田にちなみ"美酒の設計"を。清潔でのびやかな品と旨味に、すっかりとりこに。ふけゆく北の街で至福のひと時を過ごす・・・

<太田和彦さんが訪ねたお店>
酒屋まるひこ
秋田市大町4-1-2

酒盃(しゅはい)
秋田市山王1-6-9

そば処 紀文(きぶん)
秋田市大町6-2-4